組み木作りのコツ

アームが前方に一直線に伸びて見える位置に座ってください。

線からはみ出してもあわてずに、新しい曲線を作るつもりで

流れるように切り進め、先の方で図面の線に近づけます。

図面をはがせば、このとおり、きれいにまとまっています。

三つの大切なベーシックをマスターする

糸鋸盤に向かう前に、もっとも基本的な三つのポイント、「正(しょう)・ゆ・流し」をマスターしましょう。 これは、子どもたちに教えるときにも大切なことですし、この3点に気をつけて挽けば鋸刃を折らなくなります。 もちろん、作品の出来映えも変わってきますから、しっかりと身につけましょう。

「正」しく向かう

「正」は、糸鋸盤に向かう時、正しい位置に座るということです。座ったとき、アームが前方に一直線に伸びて見える位置に座ってください。道具に対しては、常に正しい位置や姿勢を保つことが肝心なのですが、つい忘れてしまいます。常に気をつけるようにしてください。糸鋸盤に向かうときの気分は、姿勢にも切り抜く線にも表れます。イライラして落ち着かないときは、そんなイライラが線に移ってしまうものです。正直な道具ですから、心をひきしめて姿勢を正しくして向かってください。

「ゆ」っくり切り進める

「ゆ」はゆっくり切り進めるということです。初心者の方は、ゆっくり切ることが意外に苦手のようです。つい板を強く押しすぎてしまいます。急ぐと、あっという間にとんでもない方向に切り進んでしまいます。組み木教室でよく見かける、初心者が陥るパターンです。急ぐと無理な力が加わり、切断面は汚くなるし、斜めに切れたりします。またよく刃を折る人は、強い力で板を押さえながら急いで板を押すので、刃が「くの字」に曲がって折れてしまうのです。

糸鋸盤には「板押さえ」というパーツが付いていますが、これに頼るのも善し悪しです。板押さえというパーツは、板の押さえ方、押し方のデリケートな感覚を切る人の手に伝えてくれません。なるべく板押さえは使わず、指先の感覚で押さえる強さと切り進めるスピードのバランスをつかんでください。

曲線を「流し」切る

「流し」は、曲線を流れるような美しいラインで切ることを意味します。初心者の方は曲線を切るとき、どうしても切ろうとする図面の線の外へはみ出して切りがちです。原因は板を回す操作よりも押す操作が勝ちすぎるためです。はみ出してくると、ついあわてて板の向きを変えてしまって、ラインは流れずジグザグになってしまいます。これを防ぐのが流し切りです。

線からはみ出してもあわてずに、新しい曲線を作るつもりで、流れるようにはみ出したなりに切り進め、先の方で図面の線に近づけていくときれいにまとまります。

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